みんなのつぶやき

2026-03-16 13:46:00

経験だけでは読めない時代

こんにちは。愛知県江南市でおうちのリフォーム・建替えから暮らしのご相談まで幅広く対応するマナベースの菱川です。

この1年を振り返ると、細かい失敗は数えきれないほどあります。100も200もあるかもしれません。ただ、大きな失敗として心に残っている出来事が2つの現場でありました。原因は、いま世の中でよく言われている 物価高、材料費の高騰 です。私はこの建築業界に入って30年以上になります。長くこの仕事をしていると、だいたいの材料の値段は頭に入っています。ベニヤ1枚はいくら、柱1本はいくら、コンクリートをこれだけ打てばいくら。細かい積算を見なくても「この工事ならだいたいこれくらいでできる」というイメージが経験として浮かびます。そして実際、これまで大きく外れることはほとんどありませんでした。なぜなら、この30年間、物価というものがほとんど変わらなかったからです。

これは建築だけの話ではありません。皆さんが普段買っている食品や生活雑貨も、長い間大きくは変わりませんでしたよね。分かりやすい例が 100円ショップ です。世の中に広まってから20年以上経ちますが、最初から並んでいる商品はずっと100円でした。ところが最近はどうでしょうか。100円ショップにも300円、500円の商品が並び、「100円じゃないもの」が増えてきました。建築の世界も、まさに同じことが起きています。例えばベニヤ板。昔は980円、安いときは880円くらいでした。ところが今ホームセンターで見ると、1680円。「え?こんなに上がったの?」と思わず声が出るくらい、ほぼ1.5倍から2倍に近い値段です。頭では理解していたつもりでした。材料が上がっていることも知っていました。しかし、問題は その積み重なり でした。材料ひとつひとつの値上がりが重なると、工事全体ではとんでもない金額の差になります。その総合的な試算が、自分の中でまだ追いついていませんでした。結果として、「これくらいでできるだろう」という感覚で見積もりを出してしまい、2つの現場で実質的に赤字のような状況になってしまいました。これは私にとって大きな失敗でした。長年の経験はもちろん大切です。しかし、時代が変われば、その経験だけでは判断できないこともある

今回の出来事で、物価高というものの恐ろしさを改めて実感しました。これからは経験に頼るだけでなく、今の価格をしっかり確認し、積算し、適正な価格で仕事をしていく。それがこれからの時代に必要な姿勢だと強く感じています。