みんなのつぶやき
たった10cmが、人生を楽にする
こんにちは。江南市の工務店マナベース社長の菱川です。
今日は、最近の現場で「やってよかったな」と感じた“水回りの高さ”のお話をさせてください。
キッチンや洗面台などの既製品は、だいたい80cmが標準です。これは身長165〜170cmくらいの方を基準に作られています。でも、実際はどうでしょうか?使う人の身長も、年齢も、体の状態も、みんな違います。
先日、旅館の厨房工事をさせていただきました。板前さんがお二人とも180cm以上の高身長。標準の80cmでは、どうしても前かがみになる。毎日の仕事で腰に負担がかかり、痛めてしまっていたそうです。そこで、調理台を10cm底上げし、90cmに調整しました。工事後、まっすぐ立ったまま包丁を握る姿を見て、「あぁ、これだな」と。「本当に楽になったよ」と言っていただけた時は、こちらの方が嬉しくなりました。
実は最近、背の高いご夫婦から「85cmにできますか?」とご相談を受けることが増えています。10軒に1軒くらいは、高さ変更のオーダーがあります。メーカーによってはオプションで対応可能ですし、換気扇(フード)も一緒に高さを調整できます。ただし、フードには蒸気をしっかり吸い込むための適正な距離があります。高くしすぎると吸い込みが弱くなることもあるので、そのあたりはバランスを見ながら設計します。
もうひとつの事例は、80歳を超えるおばあちゃんのためにと息子さんからのご依頼です。家庭菜園がご趣味のおばあちゃん。収穫した野菜を、屋外の足洗い場で洗っていました。でもその高さは地面に近く、毎回しゃがみ込む姿勢。80歳を超える体には、膝や腰への負担がかなり大きかったそうです。そこで古いガーデンパンを撤去し、立ったまま使えるステンレス製のシンクへ交換しました(工事費は約15万円ほど)「すごく楽になった」と笑顔で言っていただけました。
水回りの高さは、たった数センチの違いで体の負担が大きく変わります。毎日使う場所だからこそ、その差は積み重なっていきます。リフォームは見た目をきれいにするだけではありません。使う人の身長、年齢、生活スタイルに合わせて“ちょうどいい高さ”をつくること。それが、本当の意味での暮らしを楽にするリフォームだと思っています。これからも、目に見えにくい「数センチ」にこだわっていきたいですね。
暮らしの中の小さな不便は、我慢してしまうことが多いものです。でも、その積み重ねが体の負担になることもあります。もし今、少しでも気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。大きなリフォームでなくても大丈夫です。お話を聞くところから、一緒に始めましょう。

